日本最西端の与那国島で一人と一頭から始まった南の島の馬暮らし。
そこに集まった馬好きな若者たちが沖縄中に散らばり、
それぞれの馬暮らしを始めています。





馬に恋する若者が与那国島を目指すべき10の理由 ④

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理由その3 思いっきり馬話ができる

 

たぶん、馬好きの方すべてに心当たりのあることだと思うのですが……馬という存在にひきこまれていくにつれ、とにかく、馬について知りたくなる、そしてそのことを誰かと語り合いたくてたまらなくなる、という現象が訪れます。でも、これって、馬に対してそれほど関心のない人にとってはちっともおもしろくない話題なんですよねー、あたりまえの話ですけれども。

 

その点、与那国には馬飼いがたくさんいます。全員、馬について関心がある者です。つまり、いつでも、思う存分、心ゆくまで、馬話をすることができるんですねー。馬話をはじめると、あっという間に時間がすぎてしまってびっくりすることがあります。それがまた、なんと幸せな時間であることか!

 

特に、馬を飼い始めると、疑問がぷくぷくと泡のように生まれてきます。これってどういうこと?どういう意味?どうしたらいいの?…馬の生態について、環境について、食べ物について、コミュニケーションについて、病気になったり怪我をした時の対応について、などなど。

 

本を読んだり、インターネットで調べたりすることもできますが、実体験からいうと、それではぜんぜん情報量が足りません(自分で本を書いていてなんですけれど…)。というのも、たとえば、その馬がどんな環境にいるのか、どこで生まれどのように育ったか、どのような性格か、他の馬や人間との関係性はどうか、最近どんなことがあったか、どんな動き方をしているのか、など、非常に多層的な要因によって、答えも解釈も変わってくるからです。

 

このブログの書き手だけ見ても、みなそれぞれ、ちがう場所で、ちがう角度で、ちがう方法論で、様々なケースを経験してきている馬飼いたちだということがおわかりになると思います。その「生きた情報」こそが宝物なんですよね。

 

ひとつの疑問に対して、複数の解釈が出てくることがあります。前回も言いましたが、100%の正解というものはなくて、さまざまな可能性を、いくつもいくつも重ねてみる。とりあえず今わかっていることで判断すればこういうことではないか、と思う。でも将来、新たな知見を得たら、違う判断をするかもしれないーそのような前提で語り合うことで、ひとりよがりではない、変化し続ける答えが、生きた情報としてシェアされてゆくのだと思います。

 

時々、不思議だなと思うことがあります。馬話に盛り上がっているうちに、これまでの自分の人生ではそれほど関わり合うことのなかったかもしれない人と、気がつけばつながっているんですよね。ほんとに馬って不思議な生きものです。

 

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東崎の仔馬も語り合っている!