民泊と馬広場
爽快な天気。夏至南風(カーチバイ)が吹いて気持ちよく夏に入った沖縄です。待ち構えてたかのように、お客様も気持ち良い夏の沖縄で馬遊びを楽しんで頂いております。
久米島でも毎日晴天に恵まれ、気持ちの良い毎日を過ごしております。
久米島馬牧場より井上福太郎です。
先日、久米島馬牧場では簡易宿所の登録を済ませ、初めての『民泊』の受け入れを行いました。この『民泊』、ゲスト寄稿でも参加してくださった、やんばる馬広場のたまちゃんはすでに実践されています。
『民泊』。ご存知の方も多いかと思います。沖縄では伊江島に端を発した修学旅行の一つのスタイルで、既存のホテルや民宿に泊まるのではなく、農林漁家の民家に分泊するというスタイルのことです。
一時は沖縄修学旅行といえば『民泊』しかありえませんというほどに一世風靡をしたスタイルで、今頃『民泊』!?という感は否めませんが、久米島ではかなり出だしが遅いながらに、自分も立ち上げに少しだけですが助力しながら、沢山の島の人の想いのおかげでようやく実現にこぎつけたというところにあります。
立ち上げに際して、伊江島の発起人である方のセミナーを何回か受けましたが、やはり沖縄の離島では民泊を始めるのは久米島が最後の最後ではないかとのこと。
そして、その話の中では沢山の興味深い話がありました。
一つは、当時の現行の法律では民家泊が許されていなかったこと。
そして、もう一つは、沖縄は大手旅行会社の植民地状態であり、すべて言いなりで搾取され続けているということでした。
その二つを、お上や大手旅行社との戦いの末、法の規制緩和、そして、宿泊費用の全額を現金前払いという島の受け入れ民家さんの利益や立場を確立した、その革命的な経緯やお話に本当に感銘を受けたものです。
しかし、それでも今までは農林漁家であることが条件・・・。
我々馬広場は農家とは認められず、その中に入れてもらうことが出来ませんでした。
そして時代は変わり、一人の男の功績で緩和の流れが生まれたことも大きいと思いますが、airB&Bに代表されるシェアリングエコノミーの世界的な流れと、外国人観光客の増加やオリンピックの受け入れ準備の影響も相まって、今年度より沖縄ではさらに規制が緩和されたのです。
めでたく簡易宿所の登録を済ませ、牧場に民泊するメンバーは、私たちの家業である馬遊びの手伝いや、馬達のお世話の手伝いを体験していきました。
今回の受け入れは離島交流事業。県の事業費で開催されるものでした。しかし、これからは一般の修学旅行も受け入れが始まります。
自分たちにしかできない民泊の提供を精一杯頑張って、久米島民泊にとっても良い影響を与えていきたいと考えています。
そして「小さな町の小さな馬広場」が展開する民泊、そしてファームステイ。ここにも大きな可能性が宿っていると思っています。
都会の子供たちの受け皿となること。親と離れ自然に触れ、生き物である暮らしを実感し、馬とかけがえの無い時間を過ごせる場所として、この展開をより充実したものにしていきたいと考えております。