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日本最西端の与那国島で一人と一頭から始まった南の島の馬暮らし。
そこに集まった馬好きな若者たちが沖縄中に散らばり、
それぞれの馬暮らしを始めています。





馬を使った介在教育 

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 沖縄の冬の晴天は猫の気持ちがよくわかる。陽だまりでゴロニャン。

そうもしてられない馬暮らし、今日も保育園に馬を連れての乗馬会。

 

【唐獅子】馬を使った介在教育(久野雅照さん)

 

 「道草を食う」とは馬の世界から生まれた言葉だ。秋も深まったこの頃は銀色に光るすすきの新穂が美しい。馬の背に揺られて野道を散歩する時、ふと別のことを考えたりしていると、馬が草をめがけてグッと首を下げ、落とされそうになる。これが道草だ。

 僕は道草を適度に許すことにしている。うまそうな草があると、手綱を緩めてやる。少し食いちぎったところで、そっと手綱を引くのだ。そうすれば、その先馬は気持ちよく進んでくれる。この手綱さばきは子育てにも通じるはずだ。

 秋からの僕らの活動は、幼稚園や学校、地域の祭りに馬を連れていったり、牧場に遠足に来ていただいたりすることが多くなる。団体の子供乗馬はどうしても短い体験になってしまうが、僕らは一人一人の心に寄り添い、励まし、褒め、ねぎらい、それが子供たちから大きな笑顔を引き出す。観光地でよくある、担ぎ上げてポイと乗せて下ろすだけではもったいない。馬の背の効果は、スタッフの関わり方によって絶大な効果を発揮するのだ。

 僕らが目指すのは、こうした目的意識を持った「動物介在教育」だ。犬はもちろん、ウサギなどの小動物からヤギや馬などの家畜・大動物まで、さまざまな動物が使われる。使う動物によって目的も違ってくる。

 馬の大きな特徴は、その背中に乗せてくれるということ。これが馬の効果の秘密かもしれない。自分より数倍大きい動物に、怖さを克服して乗れた時の感動は格別だ。馬の背の揺れも乗り手の脳に微妙な刺激を与える。これが身体機能に好影響をもたらし、なおかつ介在するインストラクターの適切な声かけをより効果的に響かせる。

 馬を使った介在教育はさまざまな目的を設定できるが、僕らの得意技は性格診断法の「エゴグラム」で言うところの「母性」「父性(リーダー性)」「無邪気な子供の心」「素直に受け入れる心」「大人の心」のバランスを回復させることだ。一つの要素だけが突出しないように、デコボコを滑らかにしてくれるのが馬なのである。その秘密を知りたい方は、ぜひ牧場においでください。僕らは毎日こんなことを考えながら、毎日手綱を引いている。手綱はあくまでも緩く持って。

             

 *今回も昨年沖縄タイムスの「唐獅子」のコーナーに連載したものを転載しました。

風邪が流行ってるようです、皆様お気を付けください。早寝早起きラジオ体操!