日本最西端の与那国島で一人と一頭から始まった南の島の馬暮らし。
そこに集まった馬好きな若者たちが沖縄中に散らばり、
それぞれの馬暮らしを始めています。





小さな町の小さな馬広場の可能性2

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日曜日担当、久米島馬牧場より井上福太郎です。久米島からは週替わりで書いているので、2週間の猶予があるにも関わらず、2週間でもやはり早い…。

引き続き、自分達が実践しながら考える未来の「小さな町の小さな馬広場」の可能性についてお話したいと思います。

前回は馬と暮らす編。馬広場を展開していく上で、まず始めに小さな町で馬を飼うということに関して、今後の馬の飼養管理における可能性についてお話しました。

今回は馬と遊ぶ編をお届けしたいと思います。

初回からしたり顔で「馬広場」という言葉を使ってきましたが、そもそも馬広場とはなんぞや。一般的に馬がいる場所は乗馬施設や乗馬倶楽部、もしくは動物園や競馬場と呼ばれています。そして、一番ポピュラーな呼び名は牧場もしくはふれあい牧場でしょう。しかし、与那国島で始まったこの馬広場という概念、牧場ではなく広場というところがミソなのです。

そもそも広場とは、

広場(ひろば)は、都市において主として多くの人が集まるために設けられた、広く平らな場所・歩行者空間のことである。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BA%83%E5%A0%B4

とあります。

そう、馬広場とは多くの人が馬のもとへ集まる場所・空間のことなのです。そこに垣根はありません。
そして、目的だって人それぞれ。
乗る人、触る人、見る人、撮る人、書く人、感じる人、匂う人、お世話する人、話す人、ただそこにいる人etc。

定型は無く、目的は無限大なのです。

そこで、重要になるのは集まる人と馬の間に介在する者の存在。
管理者であり、通訳者であり、表現者であり、よき理解者であり・・・。こちらの役割も当然非定型になります。
そして、この介在者の個性が広場のスタイルを形作っていくと言っていいと思います。

その唯一無二の広場を形作っていくためには、とにかくパートナーである馬ととことん遊ぶこと。
これが一番重要になると思います。

小さな町でとことん馬と遊ぶ。その中からその町ならではの馬広場の形が出来上がっていきます。

その時間の中から、小さな町の小さな馬広場にしか出来ない遊び、出来ない体験、感じることが出来ない時間というものが生まれてきます。
まさに与那国島で産声を上げた「海馬遊び」が好例です。

hisanomarkun.hatenablog.com

マークンがとことん島で馬と遊ぶ中で、また、島人がかつて馬の労をねぎらうために海の中で馬を洗ってあげていたことにも由来する、その土地ならではの馬遊びとなっています。


とにかくこの遊び、ただ乗って馬が海に入っていくだけではありません。それだけだったら誰でも出来る。
与那国馬と沖縄の海でやらなきゃしょうがない!与那国馬と沖縄の海だから出来るここだけの遊び方なのです。やってみなけりゃ分かりません。

まもなくシーズンイン!とにかく、百聞は一見に如かず。まだ経験の無い方は死ぬまでに一度は体験あれ。見るだけではわからない、与那国馬にしかできない遊びをしっかりと現場で体感してほしいと思います。
与那国馬の海馬遊びをしたいなら、ヨナグニウマアライアンスメンバーの牧場まで。


と、勢い余ってつい宣伝調になってしまいました。


話は戻って。
当然、在来馬はこの場所ならではの存在。ここでしか出会えない存在という付加価値をはじめから持っています。

ameblo.jp

そして、この町にしかない、この町でしか出来ない馬遊びというのが、より高い付加価値を生み出していくと考えています。
昨今日本では中国人観光客の爆買いに代表される、インバウントと呼ばれる訪日外国人観光の話題が尽きることがありません。
今後も日本では外国人観光客が増加する見通しです。

それは、小さな町の交流人口拡大の可能性を広げることにもつながっていきます。
外国から来る方にとって、非常に興味深く、価値の高いネイティブホースという存在。
そして、その町の文化や歴史、自然環境を通じて産まれてきた新しい馬遊びが非常に高付加価値のサービスとして未来の馬広場の存在感を限りなく高めると思っています。


馬語は世界共通

ameblo.jp


在来馬という我らの非常にローカルなパートナーが、小さな町をグローバルな世界へとつなげてくれるのです。


私たち久米島馬牧場も、近い将来この島でしか出来ない馬遊びの形を確立するとともに、馬広場と称せる場所に育っていくことを最大の目標として頑張っています。