日本最西端の与那国島で一人と一頭から始まった南の島の馬暮らし。
そこに集まった馬好きな若者たちが沖縄中に散らばり、
それぞれの馬暮らしを始めています。





在来馬 working horse その1

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こんにちは!
日曜日担当、久米島馬牧場です。

なんとなく連載っぽく始めてみましたが…
コドモとウマは置いといて(笑)

今回は在来馬について。
中でも人と共に働く馬たちについて、
自分が想うことを。

馬術部にいた頃、またはその後の各地での馬との出会いの中で、私の中では在来馬が一番しっくりと馴染んだのです。
競馬や普通の乗馬クラブの楽しさ良さは自分もよくわかります。

でも在来馬の人との近さ!
目線が近いというだけでなく、彼らは長い年月をかけて人と共生してきたというバックグラウンドから来る親密さを持っています。
なんというか、人と一緒に居やすい。

そして与那国馬は、そんな親密さがあるにも関わらず、馬らしさ、馬という生き物の自然な姿も見せてくれます。
逞しさ、柔軟さ、軽やかさ、茶目っ気。
本当に素敵な馬たちです!

馬と共にいる人たちには、ただ一緒に暮らしたい、という人もいます。
どちらかというと、そういう人の方が多いのかな。
私もそう思うこともありますが、今までも、そして多分これからしばらくの間も、共に働いていくでしょう。

一緒に働く。まさに、一緒に歩く。楽しい時間を作る。安全に目的を果たす。
在来馬との仕事は、本当にそんな感じです。
そこには当然、暗黙の了解があったり、人間関係(人馬関係?)があったり、その日ごとのあれこれがあったり。
色々ありますが、共に汗して働いています。
「私も頑張るから、一緒に頑張ろうよ!」
と言えるのが在来馬です。私にとっては。

オーストラリアで出会ったワーキングホースたちもそうでした。
やるべきことを理解している。納得している。
むしろ、先を読んで悦びをもって働いている。

久米島でおじぃから聞いた話で、昔サーター車(サトウキビを搾る馬の道具)を曳いている母馬の横で
子馬は見て仕事を覚え、大人になったら自ら車を曳いた、といいます。

与那国でも母馬が海馬遊びをするときに子馬は一緒に海に入って海というもの、その気持ち良さを知ります。
だから大人になっても割りとすんなり海馬遊びに参加してくれます。
無理に海馬遊びの調教!と気張ることなんかありません。

自分たちが馬と一緒にしていることは、環境に許された遊びを提供すること。
そこに継続的な無理強いはあってはいけないですし、馬にも人にも、環境にも負荷がかかるような仕事ではいけないと思っています。

もちろん多少無理をさせることはあります。
でもその分美味しい草を沢山刈るから許して~と言えるのが在来馬(笑)

かなり自分勝手な考え方ですが、でも、なるべく人間本意にし過ぎない。
出来るだけ馬たちの営みを尊重できるような環境を作りたい。
馬たちが馬の時間を過ごせるような環境を整えたい。
馬たちの福祉をもっともっと向上させたい。
仕事が終わって、おつかれさま!また明日ね!と気持ちは爽やかに、体は汗臭く(笑)お互いを労いたい。

これが私が共に馬と働いていく上で目指していくところです。
まだまだやること沢山だ~(笑)

がんばらねば!


久米島馬牧場

井上 恵子